COLUMNコンサルタントコラム

(第2回)営業成果を最大化する方法

UPDATE : 2017/03/15

時代は大きく変わりました。ほとんどの業界の営業現場の悩みは「今までのやり方では売れない」ということです。
そして、指導するリーダー自身も答えを持てないまま、日々メンバーに努力を促している事がより悩ましい問題です。

第1回では営業戦略が正しくなければ高い戦闘力を持っていても活かせないということを解説しました。
第2回は営業の方向性が明確になり、どう活動していくか、営業成果を最大化する方法について説明していきます。
営業成果は量×質の掛け算で表されます。

 

営業成果 = 量(効率的な営業活動)× 質(有効性ある営業活動)

 

横軸に商談数(量)をとり、縦軸に営業の受注確率(質)をとると営業の成果は、その積つまり面積で表すことができます。
営業の成果を大きくしたい時は①1商談あたりの受注確率を高める、②同じ受注確率であれば商談数を増やすことです。

営業成果を最大化するためには、
「限られた商談を有効性ある活動で着実に決めていく」か「量を増やす為に限られた時間で効率的な活動をする」
という方法の掛け合わせが必要です。

上記を意識して、営業成果を最大化するための基本編から応用編に展開する「営業力5段階強化法」を説明して
いきます。

ここでは影響力のあるポイントの一部だけの紹介になりますが、どれでも実践すれば必ず成果の出る具体的な
行動ですので、チェックしながら、皆さんのレベルに合ったテーマからぜひご活用ください。

【営業力5段階強化法】
STEP1:効率的に活動量を増やす
STEP2:強化すべき顧客を明確にする
STEP3:顧客ニーズを把握する
STEP4:企画力・提案力を高める
STEP5:お客様との関係を強化する

 

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STEP1:効率的に活動量を増やす

①最初に手掛けるのは、効率的な営業のための営業計画です。

「計画が苦手な営業マンに優秀な営業マンはいない」と言われますが、行き当たりばったりの営業やお客様に
振り回されている営業、その日の朝になってアポを取っている営業、達成シナリオもなく積み上げている営業に、
業績が常に上位の営業マンは生まれません。

ほとんどの業種の営業活動は3ヶ月で営業戦略、1ヶ月で営業戦術、週間単位で行動計画を組み立てます。
重要なアポを取るのは、その週ではなく2週間前からアプローチすれば、先方の予定が詰まっていない段階なので、
こちらのペースで計画が立てられ、準備も余裕ができ活動効率が上がります。

 

②次は実営業時間を増やすことです。

全ての受注はお客様との接点である実営業時間(電話・メール含む)から生まれます。
私が調べてきた労働時間における実営業時間の平均は約25%です。10時間働いているとしたら150分です。
中身を商談内容だけに絞ると、もっと少なくなるでしょう。実は労働時間の30%が移動時間に費やされているのです。

効果的な対策は2つ。
・毎日の実営業時間を20%、30分増やす努力をすること(理論的には成果も2割増えるはず)。
・もう1つは、できるだけ自分が訪問しなくても商談が進む方法を考えること。

矛盾するようですが、訪問するということは移動時間も消費します。必要事項はメールや郵送で済まし、訪問する以上は
準備を充分にし、中身の濃い複数の要件をこなす努力をするべきです。
訪問しているから営業しているというのは間違いです。お客様の時間も消費しているのです。有効性ある実営業時間が
成果に結び付くのです。

 

STEP2:強化すべき顧客を明確にする

営業戦略は「集中する」ということです。どの商品に集中するか、どのお客さまに集中するか、ランチェスター戦略でも
常識のように密度が成果を生みます。

訪問しやすいお客様ばかりを選んではいけません。売上アップをするためにこちらが重要なお客様は、相手にとっては
重要でない場合が多いです。有効性ある重要顧客をまず営業計画の中で明確にします。
80:20の法則にあるように、上位20%のお客様で売上の80%が決まっています。
この上位20%のお客様をどのように選ぶか。すでにABC分析で現在の上位顧客と将来のために育てる深耕顧客が
含まれているはずです。

私が営業マンだった時は3ヶ月に1回顧客分類を行い格付けを変え、優先順位や訪問頻度を変えていました。
営業は狩猟型で刈り取るべきと、農耕型でじっくり育てるべきタイミングがあります。優秀な営業マンはその見極めが
上手く、長期にわたりお客様を温めたり、ここぞという時にお客様の近くにいたりします。
こういう感覚を持ち、懐が深い営業マンが安定的な業績を上げ続けます。

 

STEP3:顧客ニーズを把握する

初期の段階で営業マンの価値を決めるのは何か。
差別化・付加価値を生み、お客さまからの営業マンへの期待値を決めるものは情報です。

情報の切り口はいくらでもあります。先ずはお客様の個人情報、会社情報、業界情報、お客様の顧客情報、
お客様にとっての競合の情報、我々の商品情報など、顧客情報ファイルなどに定型化されているでしょうか。
特に「お客様にとっての競合の情報」は重要です。

ヒアリングシートが用意されているからといって、一からお客さまに聞きだしたら、ダメ営業マンの烙印を押されます。
大切なのは、いかに事前情報を集められるかです。そしてその情報をもとに仮説を立てられるか、お客様の欲しい情報を
準備できるかです。

私がリクルート営業マン時代には、「訪問する時には手ぶらで行ってはいけない」という原則がありました。
「お土産」を持つ。これはモノではありません。お客様の関心を惹ける情報のお土産です。
「今日のお土産は何?」営業同行するときの決まり文句でした。情報武装で営業マンの戦闘力が決まるのです。

次の段階で、顧客ニーズを把握します。顧客ニーズは2つあります。「顕在ニーズ」と「潜在ニーズ」です。
顕在ニーズはすでに表面化しており、求める商品サービスや企画・仕様も明確になっています。この局面では提案の余地
も少なく差別化しづらい状態です。
つまり顕在ニーズを追うのは、相見積もりで安いところに流れるという利益が生まれない商売になります。
ですから、まだ表面化していない潜在需要・欲求の段階でのニーズに対応することが有効性の高い営業につながるのです。

顕在ニーズは質問すれば具体的に知ることができますが、この情報は競合と差別化できません。
お客様の胸の内にある、まだ解決方法が具体的でない状態で、推測し仮説を立てて打診していきます。
この段階で共有できれば、同じ目的を持って共に課題解決するパートナーとなるでしょう。
真の利益は顕在ニーズではなく、潜在ニーズを満たした時に生まれるのです。

 

STEP4:企画力・提案力を高める

提案力の源泉は何か。プレゼンテーションスキルでしょうか、商品説明力でしょうか。
お分かりだと思いますが「顧客理解力」なのです。

提案力の評価の中核は「的を得た企画」なのかです。では「的を得る」ためには、どうしたらよいでしょうか。
そうです、前ステップでお伝えした情報収集が最大のカギです。その適切な質と量の情報をもとに企画を考えるのですが、
この際に最も重要なアプローチが「目的」から入ることです。
セリングポイント(売り方)ではなく、バイイングポイント(買う理由)が重要なのです。

何が目的なのか、何を満たすためのニーズなのか、結果として何を得たいのかを考えます。お客様は商品が欲しいのでは
ないのです。商品を得た結果の課題解決、満足感、使いやすさ、便利さ、かっこ良さ、優越感、などなどを得たいのです。
商品はそのことを満たすための手段なのです。
目的を達成するためなら、提供する商品を変えた提案でもお客様は聞いてくれるはずです。たとえ予算が想定と違って
いても、より大きな満足が得られるなら、予算は投資と変わり、楽しい買い物になるのです。

つまり、営業マンは「商品説明」をしてはいけないのです。
商品の利点や優れている点などの一般論ではなく、お客さまにとっての利益、すなわち目的が達成するイメージを
強く印象付けるのです。
事例営業といいますが、営業している商品サービスの効能を仕様現場のリアリティある表現ができる営業は強いのです。
商品サービスを売るのではなく、「お客様の目的達成のストーリー」を売るのが有効だからです。
そうすることで金銭的価値や機能的価値を超えて、情緒的価値まで付加価値となって買っていただけるのです。

 

STEP5:お客様との関係を強化する

「お客様の目的達成のストーリー」を売っているあなたは、そのお客様の喜びを共有しているでしょうか。
営業マンは売ることが目的になりがちで、契約を結ぶとお客様への関心が薄れます。しかし、お客様が満足するのは
買った時ではなく、納品され、実際に使用して期待以上であったときです。

お客様と長い関係を持って囲い込むビジネスや、リピートや紹介でつないでいくビジネスなどは、目的達成をお客様と
共に喜ぶスタンスかどうかが、お客様との関係性や継続性、業績維持に大きく影響し、そこに着目することが長い目で
みると効率的なのです。

お客様と強い信頼関係を結んでいくためには、売るためにお客様をファンにするのではなく、先ずあなた自身がお客様の
ファンになって、お客様の喜びを共有するのです。
そうすることで、本当のお客様の立場に立った仮説や提案が浮かんでくるものです。
そういう関係作りが業者からパートナーへと発展していくのです。

 

最後に業者とパートナーの違いを考えてみましょう。

営業マンとしての価値でもあり楽しさでもあるのが、「お客様の役に立ち、喜んでいただけること」です。
やはり仕事をしている以上は売上も重要ですが、自分の存在感を示せる、個人として認めてもらえる営業マンになりたいと
願うものでしょう。
あなたの部下である営業マンはお客様からどのレベルを期待されているでしょうか。

実はその期待はお客様が決めるのではなく、営業マンのスタンスが決めるのです。
営業マンはお客様から格付けされています。どの程度期待してよい営業マンか値踏みされているのを忘れては
いけません。

お客様が本当に悩んでいる課題は何でしょうか。
お客様をよく観察し、自ら広く情報収集し、仮説を立てて、お客さまにぶつけてみる。課題解決力を高めていく。
真剣に考え抜いた提案なら、衝突しても主張すべきです。

営業マンの考える深さに応じて、お客さまも深い話を戻してくれます。お客様を絞り込んで、パートナーとなるべきお客様を
作ってください。営業リーダーの方は部下と一緒に考え、貴重な経験を体験させてください。
その経験の積み重ねが、競合と差別化された、どこでも通用するプロフェッショナル営業マンを育成していくことに
なるのです。

 

営業力5段階強化法を説明してきましたが、すぐに実行できることは、営業活動量を増やすこと、実営業時間を増やして
商談数を増やすことです。このことが成果を上げる近道です。

しかも活動量を増やしていくと、量的な蓄積から活動の質も上がってきます。しかし活動量の増加には限界がありますし、
経験による属人的な質の向上にも限界があります。だからこそ、「有効性ある営業活動は何なのか」という追求が
必要なのです。

受注確率を上げることは、活動量の2倍は難しいのですが、受注確率10%が20%に、30%になることは可能なのです。
STEP1~3までをしっかりやるだけでも相当の成果の差がつきます。
営業力はいろいろな能力の総合力ですが、小さな行動・習慣・心がけの積み重ねが大きな差になります。
5段階強化法のスキルをしっかり身につけ、受注確率が高く、厳しい環境の中でも取りこぼしのない、期待される
営業リーダー・指導者になってください。

 

第3回は、目標達成を当たり前にする営業マネジメントの方法を解説します。

 
【コンサルタントプロフィール】

和田一男
(株式会社ブレインパートナー 代表取締役 組織変革・営業変革コンサルタント)
北海道小樽市出身。(株)ヒューマン・キャピタル・マネジメント取締役。大学卒業後、1985年(株)リクルート入社。2000年独立し、(株)ブレインパートナー設立、代表取締役就任。経営力強化、実行力強化支援、営業力強化コンサルティング、実行機能としての組織構築、組織変革コンサルティング、人材育成、人事評価制度構築、目標管理制度運用支援を行っている。著書「30歳からの営業力の鍛え方」(かんき出版,2006年)、「ドラッカー経営戦略」(明日香出版社,2012年)

 

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